就労継続支援A型事業所は儲かるのか?収入の仕組みと成功のポイント

就労継続支援A型事業所は、障がいや難病を持つ方に働く場を提供し、国からの給付金や生産活動による売上を収益源とするビジネスです。これから開業を考えている方にとっては、どの程度の利益が見込めるのか気になるところでしょう。本記事では、就労継続支援A型事業所の収入源、運営のポイント、そして利益を出すための方法について解説します。


就労継続支援A型事業所の収入源

就労継続支援A型事業所の主な収入源は、以下の2つです。

  • 基本報酬:障害福祉サービスの提供に対して、国から支給される報酬。サービス利用者の数や支援の質に基づき、報酬額が決まります。
  • 生産活動の売上:事業所で行われる作業や生産活動による収益。この収益は、利用者の賃金に充てられます。

基本報酬はサービス利用者の数や、職員の配置基準、支援内容の評価によって変動します。また、売上が高ければその分賃金が上がり、事業所の利益も増える可能性があります。


収支の現状—赤字の事業所も存在

厚生労働省の調査によると、就労継続支援A型事業所の年間平均収入は約4,495万円、支出は約4,366万円で、平均的な収支差は約129万円です。しかし、全体の約4割は赤字の状態にあり、43.4%の事業所が生産活動の売上が賃金を下回っている現状です。したがって、運営がうまくいけば利益を出すことが可能ですが、工夫が必要です。


基本報酬の仕組み

基本報酬は、以下の3つの基準に基づいて決定されます。

  1. 定員区分:事業所が同時に受け入れるサービス利用者の人数に基づき、5段階に分類されます。
  2. 人員配置区分:職員の配置人数により評価され、サービス利用者に対する指導員や支援員の数に基づいて算定されます。
  3. 評価点(スコア):利用者に対する支援の質や、多様な働き方への対応、地域連携など、7つの評価項目によって加算されます。

これらの要素をうまく管理し、評価点を高めることが、基本報酬を増やし、事業所を成功させるポイントです。


報酬加算の活用

報酬加算は、一定の条件を満たすことで基本報酬に上乗せされる収入です。主な加算として以下が挙げられます。

  • 初期加算:新規利用者が30日間の間に得られる加算。
  • 送迎加算:利用者の送迎サービスに対する加算。
  • 福祉専門職員配置等加算:資格を持つ職員を配置することで得られる加算。

これらの加算は条件を満たせば申請することができ、運営に必要な収益の一部となります。


助成金を活用して儲かるのか?

助成金を受け取ることで収益を補うことができますが、助成金目当てだけでは長期的な経営は難しいでしょう。事業の運営や利用者支援に助成金を有効活用することが利益を出すための鍵です。代表的な助成金には、訓練等給付費特定求職者雇用開発助成金があります。

例えば、訓練等給付費は利用者1人あたり月額12~14万円が支給され、利用者20人の事業所であれば月240~280万円が国から支給されます。


就労継続支援A型の運営で注意すべき点

1. 職員の確保

職員の採用は大きな課題です。特にサービス管理責任者の確保が難航することが多く、開業が進まないこともあります。人材紹介サービスの利用も視野に入れる必要があります。

2. 生産活動の売上

生産活動による売上が賃金を下回ると、事業運営に深刻な影響を及ぼします。単価の高い仕事を確保し、常に売上を確保する努力が必要です。


運営を成功させるためのポイント

  1. 就労への移行を促進
    一般企業での就労に成功した場合、加算が得られるため、利用者を就労に導くことは大きなメリットです。定着支援も重要な要素です。
  2. 職場環境の整備
    働きやすい環境を整えることで、利用者の定着率を向上させ、収益の安定化につなげることができます。
  3. 基本報酬の向上
    基本報酬のスコアを上げるために、適切な支援体制を整え、評価項目に沿った改善を行うことが重要です。

まとめ

就労継続支援A型事業所は、国からの給付金と生産活動の売上が主な収入源です。赤字事業所も多く存在しますが、基本報酬を上げる工夫や生産活動の売上を確保することで、大きな利益を生む可能性があります。適切な支援と経営戦略を取り入れ、長期的な運営を目指しましょう。