就労継続支援B型の収益性と運営のポイント

就労継続支援B型は、一般企業での雇用が難しい方に対して就労機会を提供する福祉サービスです。この事業の収益性は高く、安定した運営が可能です。収益シミュレーションを通して、実際にどれほどの利益が見込めるのかを分析します。


就労継続支援B型の収益性

就労継続支援B型の収益性は、他の障害福祉サービスと比較しても高いといわれています。稼働率100%の場合、利益率は40%以上に達することも可能です。実際のデータによると、令和2年度の収支差率は6.0%で、全体平均よりも高い結果となっています。

厚生労働省の調査結果

厚生労働省の調査によると、令和3年度の上半期には、就労継続支援B型の収支差率は11.9%に達しており、収益性の向上が確認されています。

収支差率とは、収入から支出を差し引いた額が、全体の収入に対してどの程度の割合を占めるかを示す指標です。この数値が高いほど、事業の利益率が高く、収益が安定していることを意味します。一般的に、安定している事業の収支差率は5~10%以上が目安とされ、この範囲内であれば事業が健全に運営されているといえます。


就労継続支援B型の収益モデル

就労継続支援B型の収益源は主に以下の2つです。

  1. 障害福祉サービス報酬
    サービス提供に対する報酬で、市町村から給付される訓練等給付費が大部分を占めます。加算を取得することで、さらに収益を増加させることも可能です。
  2. 生産活動による売上
    利用者が行う生産活動から得られる収益も重要な収入源です。ただし、工賃として利用者に還元するため、収益を直接増やすためには効率的な作業や製品の販売が必要です。

障害福祉サービス報酬が大部分を占めるため、就労継続支援B型事業所は安定した運営が可能です。仮に生産活動による売上がゼロであったとしても、訓練等給付費や各種加算による収益で十分に事業が成り立つ仕組みとなっています。このため、収益の大半が公的資金に依存していることから、リスクが低く、安定した収入が見込めるビジネスモデルといえます。


収支シミュレーション

ある就労継続支援B型事業所を例に、収支のシミュレーションを行います。

例:稼働率100%の場合

  • 定員:20名
  • 月間収入:320万円(報酬:280万円、収益:40万円)
  • 支出:約190万円
  • 利益:約130万円、利益率は約40%

例:稼働率60%の場合

  • 定員:20名中12名
  • 月間収入:190万円(報酬:170万円、収益:20万円)
  • 支出:約175万円
  • 利益:15万円、利益率は約8%

20名中12名の利用者が集まれば、収益は支出を上回り、損益分岐点に達します。それ以上の利用者を確保することで、さらに利益が発生する仕組みです。このため、事業の成否は稼働率に大きく依存しており、利用者の集客が事業成功の鍵となります。定員の60%を超える稼働率を維持できれば、安定した収益を確保でき、余剰資金を事業拡大や利用者への工賃アップに充てることも可能です。


収益を上げるためのポイント

1. 工賃の向上

工賃を月1万円以上に保証することで、報酬体系において高い評価を受けることができます。工賃を向上させることは、利用者の満足度を上げるためにも重要です。

2. 仕事の確保

下請け作業に依存せず、独自の商品やサービスを提供することが収益向上に繋がります。オリジナル製品の製作や、外部企業との連携を視野に入れることも有効です。

3. 利用者の確保

稼働率を上げることが、事業の収益に直結します。地域や行政との連携を深め、利用者を増やすための地道な営業活動が必要です。

工賃の向上や仕事の確保も重要な要素ですが、障害福祉サービス報酬が収益の大部分を占めるため、最も重要なのは利用者の確保です。稼働率が高ければ、その分、報酬収入が安定し、事業の基盤が強化されます。逆に、利用者が少なければ、たとえ効率的な生産活動や高い工賃があっても収益の安定化は難しくなります。地域や行政との密な連携、継続的な営業活動を通じて利用者を増やすことが、就労継続支援B型事業の成功に直結します。


就労継続支援B型の安定経営に向けて

就労継続支援B型は、収益性・安定性が高い事業ですが、適切な運営が求められます。成功するためには、利用者集めや仕事の確保、スタッフの管理が重要です。また、定期的な収益シミュレーションを行い、事業の健全性を確認することが求められます。

最終的には、安定した収益を上げつつ、利用者にとっても充実した支援を提供することが成功への鍵です。