就労継続支援B型の工賃向上を目指す

就労継続支援B型の工賃は、雇用契約がないため賃金ではなく「工賃」という形で支払われます。2021年度の平均工賃は月額16,507円と低く、最低賃金を大きく下回っています。その背景には、労働関連法令の適用外であることや、利用者の支援ニーズに応じた活動が求められる点があります。しかし、事業所選びや工夫次第で工賃を上げることも可能です。本記事では、工賃の仕組みや現状、工賃を向上させる方法について詳しく解説します。


就労継続支援B型の工賃とは?

工賃の定義

就労継続支援B型の工賃は、生産活動による収益から必要経費を引き、事業所の「工賃規定」に基づいて利用者に分配されます。賃金とは異なり、事業者と利用者の間に雇用契約はありません。工賃の支払い形式は月給制、日給制、時給制など事業所ごとに異なります。

工賃の平均額

2021年度の平均月額工賃は16,507円、時間給に換算すると233円で、全国平均最低賃金の930円と比べて大幅に低い水準です。工賃の額は事業所によって大きな差があり、高工賃を実現する事業所も存在します。


就労継続支援B型の工賃が低い理由

  1. 労働関連法令が適用されない
    就労継続支援B型の利用者は「労働者」に該当しないため、最低賃金法や労働基準法の適用がありません。そのため、最低賃金を下回る工賃が一般的です。
  2. 支援の必要性が高い利用者の存在
    障害の程度やニーズが異なる利用者に対し、作業の負担を増やすことが難しく、結果として収益を上げにくい状況があります。
  3. 低収益の作業が多い
    下請け業務の受託が中心であるため、単価が低い作業に依存している事業所が多い状況です。一部ではオリジナル製品の製造・販売に取り組む動きも見られますが、収益化には課題があります。

工賃を向上させる方法

働く日数や時間を増やす

多くの事業所で1日の勤務時間は2~4時間程度です。時間給制や日給制の場合、作業時間や日数を増やすことで工賃を増やすことが可能です。利用者の希望に合わせて、事業所と相談しながら働き方を見直しましょう。

高工賃の事業所を探す

  1. 工賃実績を確認
    都道府県のウェブサイトで事業所ごとの工賃実績が公開されています。利用者や都道府県知事への報告義務があるため、信頼性の高い情報を確認できます。
  2. 作業内容の比較
    生産活動の内容によって工賃単価は異なります。例えば、クリーニングや防災用具の製作は比較的高い工賃が期待できます。難易度の高い作業を含む場合がありますが、対応可能な範囲で選ぶことがポイントです。

工賃向上を目指した国の取り組み

報酬単価の改定

2021年度の報酬改定では、事業所の平均工賃月額に応じた報酬区分が細分化され、高工賃を実現する事業所が評価される仕組みが導入されました。月額平均工賃が高いほど、事業所への基本報酬が増えるため、収益向上のインセンティブが生まれています。

公共機関からの業務受注

国や自治体は、物品購入や清掃業務などを就労継続支援B型事業所に発注することで、収益を支える取り組みを進めています。これにより、工賃アップの可能性が広がっています。


高い工賃を得るためのポイント

  1. 自分のニーズに合った事業所を選ぶ
  2. 作業内容や勤務時間の調整を相談する
  3. 公表されている工賃実績を参考にする

就労継続支援B型は、利用者の支援ニーズに応じた柔軟な働き方が可能です。工賃向上に向けた選択肢を探しつつ、自分に合った環境で継続して取り組むことが重要です。